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金融庁がオンチェーン金融フォーラムを設置:ステーブルコイン・トークン化預金・国債のトークン化を省庁横断で検討

2026年9月25日、金融庁は省庁横断の「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」を立ち上げ、ステーブルコイン、トークン化預金、国債のトークン化、量子コンピュータのリスクを同じ検討リストに載せました。これは検討の場を設けるものであり、法改正でも製品の承認でもありません。第一回会合は9月30日を予定し、一般傍聴はできません(2026年9月確認)。

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オリジナルイラスト:6席の丸テーブルとその上に2つのブロックがつながった短い鎖の図。下には3席ずつの小さなテーブルが2つあり、点線で丸テーブルとつながっている。商標や実在の人物は含まない。
画像:Mokaair (© Mokaair)

2026年9月25日、金融庁は「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の立ち上げを公表しました。金融庁は、AIやブロックチェーン等の技術の進展により金融取引の仕組みが変化する中、ブロックチェーン技術を基盤とする「オンチェーン金融」の社会実装や、金融機関等におけるAIの健全な利活用の促進に向けた取組を進めていくことが重要だとしています。金融庁はこのため、「AI時代を見据えたオンチェーン金融イニシアティブ」として、関係省庁等とともに、本分野の推進を加速するべく、横断的に検討を進める場としてこのフォーラムを立ち上げました。公表ページには、「関係省庁等」に具体的にどの機関が含まれるかは書かれていません。

フォーラムのほかに、二つの研究会がそれぞれ別の事項を検討します。今回の公表は法改正ではなく、いかなる製品の承認でもなく、日本銀行の決定でも暗号資産取引の新しい規定でもありません。第一回会合は2026年9月30日(水曜日)日本時間14時00分から15時00分に開催予定で、一般傍聴は受け付けません。本記事の内容は2026年9月26日に確認したもので、当サイトは実地の検証を行っておらず、投資や法律に関する助言も提供しません。

9月25日に公表されたこと

同じ日、金融庁は別途、フォーラム第一回会合の開催通知を公表しました。タイトルは〈「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」(第1回)の開催について〉です。通知には、第一回会合が2026年9月30日(水曜)日本時間午後2時から3時(14時00分~15時00分)に開催予定と明記され、台北時間に換算すると午後1時から2時(13時00分~14時00分)にあたります。これは編集部による換算です。会場は東京の中央合同庁舎第7号館です。

議事は「予定」と表記され、開会、「関係省庁等報告」、討議、閉会の順に並んでいます。通知には決議事項は一切記載されておらず、いずれかの部分を配信するとも書かれていません。通知には一般傍聴を受け付けない旨が明記され、会合後に金融庁ウェブサイトで公表されるのは「議事概要」であって、逐語の議事録ではありません。本記事の確認日(2026年9月26日)時点では、会合はまだ開かれておらず、引用できる概要もありません。

金融庁の公表ページにはさらに二つのPDFが添付されています。別紙1はフォーラムと二つの研究会の全体構造を示す図解で、別紙2は2026年7月21日付の金融戦略の抜粋です(詳しくは第三節)。所管は資産運用・保険監督局の下にある「暗号資産・ステーブルコイン課」で、ページ上で「暗号資産」という語が現れるのもこの箇所だけです。この課がいつ設置されたかは書かれていません。

フォーラムと二つの研究会がそれぞれ見ているもの

別紙1は図解で全体構造を示しており、フォーラムの枠の副題は「オンチェーン金融の社会実装・AI等の健全な利活用の推進」です。枠内に列挙された項目には、官民連携でのロードマップ作成、既存の「決済高度化プロジェクト(PIP)」の継続・拡大、新たな決済システムの構築の促進、国際的なオンチェーン金融実装に向けた連携・発信、そして日銀当座預金のオンチェーン対応が含まれます。さらに、ステーブルコイン(SC)・トークン化預金の公金給付への活用、SCの諸法令における取扱いの整理・明確化、国債等のトークン化対応も列挙されています。日銀当座預金のオンチェーン対応と国債等のトークン化対応は、いずれもフォーラムの作業項目であって、研究会のいずれかの項目でも、日本銀行や財務省自身がすでに下した決定でもありません。

フォーラム自体のほかに、二つの研究会がそれぞれ検討を進めます。一つは環境整備、もう一つはAI等の技術への適応です。環境整備の研究会の正式名称は「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」で、枠内には様々な資産のトークン化、ステーブルコイン、DEX・DeFiやウォレット提供業者の制度の在り方等について「点検・検討」すると書かれています。AI等の研究会の正式名称は「AI等の健全な利活用の推進に関する研究会」で、枠内の三項目は、金融機関等におけるAI等の健全な利活用、AIの普及に応じた市場・金融機関の監督の在り方、そして量子コンピュータによる危殆化リスクの把握です。別紙1には、この二つの研究会が新設か既存か、メンバーは誰か、いつ開催するかは書かれていません。

つまり、同じ文書が作業を三つのトラックに分けています。フォーラム自身が扱う項目、環境整備研究会が扱う項目、そしてAI等研究会が扱う項目です。下の表は、三つのトラックがそれぞれ列挙する項目と、文書がそれらを説明するのに使う動詞を整理したものです。

日本の金融庁が2026年9月25日に公表したフォーラムと二つの研究会の役割分担。確認日は2026年9月26日。
会議体列挙されている項目(抜粋)文書が使う動詞
フォーラムロードマップ、PIPの継続・拡大、新決済システム、国際連携、日銀当座預金のオンチェーン対応、SC・トークン化預金の公金給付活用、SCの法令整理、国債等のトークン化対応検討を行う
研究会①環境整備様々な資産のトークン化、ステーブルコイン、DEX・DeFiやウォレット提供業者点検・検討
研究会②AI等金融機関等のAI健全利活用、AI普及に伴う監督の在り方、量子コンピュータの危殆化リスク検討を進める

7月21日の金融戦略はどう書いているか

別紙2が抜粋しているのは2026年7月21日付の「成長投資を促進するための金融戦略」で、抜粋自体にはどの機関が策定したかは書かれていません。この戦略は、AIエージェントが自律的に経済活動を行う「エージェンティックコマース」の時代には、商取引が言語や時差に左右されなくなり、決済もそれに対応することが求められるとしています。日本の決済基盤がこれに対応できなければ、海外の決済基盤への依存が強まり、日本の競争力が低下し、経済安全保障上のリスクが高まるおそれがあるとしていますが、これらはあくまで戦略自身の見方であり、すでに起きたことではありません。

7月の戦略が当時記していた計画は、2026年夏にこのフォーラムを立ち上げ、三つの観点を「含め」検討を進める(三つの観点が検討範囲のすべてではありません)というものでした。三つの観点とは、オンチェーン金融の社会実装の推進、環境整備、そしてAI等の技術への適応です。戦略が記す日程は、まず2027年初めに「中間整理」をまとめるというもので、これは予定であって最終結論ではなく、9月25日の二つの公表ページはこの日程を繰り返していません。あわせて、金融庁の必要な組織拡充も検討するとしており、こちらも「検討する」という言葉が使われています。

戦略はさらに、進捗をフォローアップする五つの主体を挙げています。日本銀行は「年内」に、日銀当座預金のオンチェーン対応について実装に向けた論点整理と実現に向けた道筋の検討状況を取りまとめます。業界団体(どの団体かは書かれていません)は、トークン化預金等が物流・商流とデータ連携する時代の銀行業務の在り方を検討します。デジタル庁は、ステーブルコインやトークン化預金を公金給付に活用する可能性を検討します。内閣官房のデジタル行財政改革会議事務局は、ステーブルコインの金銭に準じた利用可能性等について、諸法令における取扱いを整理・明確化するための省庁横断的な検討を進めます。財務省は、国債等のトークン化対応、および元利払いを投資家のニーズに応じてオンチェーン決済で行えるようにすることを検討します。この五つはフォローアップの対象であり、戦略はこれらをフォーラムのメンバーとしては書いていません。

4コマ図解:フォーラム、環境整備の研究会、AI等の研究会、第一回会合
日本の金融庁が2026年9月25日に公表したオンチェーン金融フォーラムの構成の整理:フォーラムと二つの研究会がそれぞれ列挙した検討項目、および第一回会合の予定。確認日は2026年9月26日。 · 画像:Mokaair (© Mokaair)

誤読しやすい三つの点

第一に、日銀当座預金のオンチェーン対応は、フォーラムの枠内にある作業項目の一つに過ぎません。7月の戦略が記しているのは、日本銀行が「年内」に検討状況を取りまとめるということであり、これは日本銀行自身の公表ではありません。四つの文書のいずれにも「CBDC」という語は登場せず、日本銀行が準備預金のオンチェーン化をすでに決定した、あるいはデジタル円をすでに導入したと書くことはできません。

第二に、DEX、DeFi、ウォレット提供業者は環境整備研究会の下に位置づけられています。7月の戦略が記しているのは、各国の動向を注視しながら、リスク低減策(技術的性質に合わせた過不足のない規制を含む)の在り方を検討するということであり、まだ検討段階にあって、すでに開放が決まったわけではなく、「緩和」あるいは「強化」のどちらか一方だけを選んで書くこともできません。

第三に、「暗号資産」という語は四つの文書の中で、所管である「暗号資産・ステーブルコイン課」という名称にしか登場しません。本文には暗号資産の取引、上場、業者規則についての記述はなく、いかなる銘柄やトークン、業者名も出てきません。今回の公表は、暗号資産取引の監督に関する新しい規定ではありません。

台湾の読者との関係、そして自分で追いかける方法

金融庁のこの四つの文書はいずれも台湾に言及していません。国際関連の段落には、各国当局との対話を行うこと、そしてアジアとの官民政策対話の枠組みを創設することしか書かれておらず、アジアのどの国や地域かは名指しされていません。台湾の利用者が今使えるサービスについて、今回の公表は何も変えるものではなく、読者はこの省庁横断の役割分担を一つの参考点として受け止めることができます。

続報を自分で追いたい場合は、開催通知ページの「開催実績」リンクからフォーラム自身のページに進み、会合後の議事概要の公表を待つことができます。また、7月の戦略が記す2027年初めの中間整理にも注意しておくとよいでしょう。これも予定の日程であり、まだ到来していません。本記事は金融庁が2026年9月25日に公表した内容だけを整理したもので、その後新しい公表があれば、改めて確認する必要があります。

よくある質問

今回、金融庁は暗号資産関連の法律を改正したのですか?

いいえ。金融庁が公表したのは、横断的に検討を行う場を設けることであり、法改正ではありません。2026年9月26日時点で、金融庁が公表した四つの文書のいずれにも法改正や法案への言及はありません。環境整備研究会の枠内の項目に使われている動詞は「点検・検討」であり、すでに承認された、あるいはすでに法改正されたという意味ではありません。

日本銀行はすでに準備預金をオンチェーン化し、中央銀行デジタル通貨にすることを決定したのですか?

金融庁が今回公表した四つの文書にはそのようには書かれていません。「日銀当座預金のオンチェーン対応」はフォーラムの枠内にある作業項目の一つです。金融庁が添付した7月21日の金融戦略の抜粋が記しているのは、日本銀行が年内に実装に向けた論点整理と実現に向けた道筋の検討状況を取りまとめるということであり、これは日本銀行自身の公表ではありません。四つの文書にCBDCへの言及もありません。

9月30日の第一回会合は傍聴やライブ配信で見られますか?

傍聴はできません。開催通知には、第一回会合は一般傍聴を受け付けないと明記されており、会合後に金融庁ウェブサイトで公表されるのは「議事概要」であって、逐語の議事録ではありません。通知にはライブ配信を行うとも書かれていません。

DeFiやウォレット提供業者はもうすぐ自由に営業できるようになるのですか?

いいえ。DEX、DeFi、ウォレット提供業者は環境整備研究会の下に位置づけられています。7月の金融戦略が記しているのは、各国の動向を注視しながら、リスク低減策(技術的性質に合わせた過不足のない規制を含む)の在り方を検討するということです。これは検討中の方向性であり、すでに開放が決まったわけではなく、「緩和」あるいは「強化」のどちらか一方だけを選んで書くこともできません。

フォーラムや二つの研究会にはどの機関や人物が参加するのですか?

金融庁が公表した四つの文書のいずれにも、フォーラムや研究会のメンバーや座長の名簿は記載されていません。7月の金融戦略には日本銀行、業界団体、デジタル庁、内閣官房の事務局、財務省の名が挙がっていますが、この五つはフォローアップの対象であり、文書はこれらをフォーラムのメンバーとしては書いていません。業界団体が具体的にどの団体かも文書には示されていません。

今回の公表は台湾の利用者が今使えるサービスに影響しますか?

金融庁が公表した四つの文書のいずれも台湾には言及していません。今回の公表は日本国内で省庁横断の検討の場を設けるものであり、台湾の利用者が今使えるいかなるサービスにも変更をもたらしません。今後具体的な措置があれば、改めて確認する必要があります。

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