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Google Cloud、BigQueryでTimesFM 3.0をプレビュー公開:SQLで多変量時系列予測が可能に
Google Cloudは、データ分析サービスBigQueryで予測モデルTimesFM 3.0をプレビュー公開したと発表しました。1本のSQLクエリで複数のターゲットを同時に予測し、天気や祝日などの外部要因も取り込めます。新機能と旧バージョンの違いを整理します。
読了目安 7 分

何が起きたのか
Google Cloudは、同社のデータ分析サービスBigQueryでTimesFM 3.0のプレビュー版(正式提供前の試用段階)を公開したと発表しました。Google Cloudの説明によると、このモデルはGoogle Researchが開発した3.3億パラメータの基盤モデル(事前学習済みで、そのまま使える大規模モデル)です。BigQuery内でSQL(データベースに問い合わせる言語)を使い、多変量時系列予測を直接行えるようにすることが目的です。時系列とは、日々の売上や利用回数のように、時間順に並んだデータを指します。
Google Cloudによると、BigQueryの予測機能AI.FORECASTは当初TimesFM 2.0で動いていましたが、その後TimesFM 2.5にアップグレードされ、ユーザーはモデルを自分で学習・管理しなくてもSQLで予測を生成できました。ただし2.5までのモデルは単変量予測のみで、単一の時系列の履歴だけから将来を予測するものでした。
Google Cloudは、現実の予測課題の多くは多変量であると指摘しています。関連する複数のターゲットや、天気、販促、祝日といった外部要因が、将来の結果に共同で影響するためです。
新旧バージョンの違い
下表の「共変量」とは、予測の対象ではないものの予測結果に影響する他の要因(天気、販促、祝日など)を指します。共変量には過去の記録しかないものと、将来の値もあらかじめ分かっているものがあります。
| 機能 | TimesFM 2.0 / 2.5 | TimesFM 3.0 |
|---|---|---|
| 予測の範囲 | 単変量のみ | 単変量と多変量 |
| ターゲット列 | 単一のターゲット | 単一または複数のターゲット |
| 過去の値のみを持つ共変量 | 非対応 | 対応 |
| 過去と将来の値を持つ共変量 | 非対応 | 対応 |
Google Cloudはさらに、TimesFM 3.0がGIFT-Eval、FEV-Bench、TIMEという3つの公開時系列リーダーボードで1位となり、共変量および多変量の予測タスクでゼロショット精度が最高だったと述べています。ゼロショットとは、ユーザー自身のデータで事前に学習させなくても、モデルがそのまま予測できることです。このランキングはGoogle Cloud自身の主張です。
実際の動作
Google Cloudは、ニューヨークのCiti Bike公開データセットを例に、通勤利用者(subscriber_trips)とカジュアル利用者(casual_trips)の今後7日間の日次利用数を予測しています。
Google Cloudによると、BigQueryは単一テーブルを入力とします。同じテーブルに、過去の観測行と将来の予測期間の行の両方を含めます。将来の行では、事前に分かっている将来の共変量には値を入れ、予測したいターゲット列と過去の値のみの共変量は空(NULL)にします。
- ターゲット列(target_cols):予測したい数値。互いに関連する複数のターゲットを同時に予測できます。
- 過去の共変量(past_covariate_cols):履歴しかなく事前に分からない要因。例:平均利用時間。
- 将来の共変量(future_covariate_cols):事前に分かっている要因。例:週末、祝日、予定されている販促。
Google Cloudの説明では、AI.FORECASTは各ターゲット列について予測値と、予測区間の上限・下限(実際の値が入りそうな範囲)を返します。またGoogle Cloudは、BigQuery Conversational Analyticsで自然言語により予測を依頼すると、対応するAI.FORECASTクエリが自動生成・実行され、要約、予測区間付きのインタラクティブなグラフ、主なインサイトが返されると述べています。
利用者にとっての意味
BigQueryを使うデータチームについて、Google Cloudは、既存の単変量予測や異常検知(データ中の異常な値を見つけること)のワークフローは、クエリでmodel => 'TimesFM 3.0'を指定するだけで新モデルに切り替えられると述べています。AI.EVALUATEも単変量時系列の評価に使えるとのことです。
Google Cloudは、ネイティブの多変量サポートにより、BigQueryで複雑な企業データを扱う際に、データの移動、独自の特徴量エンジニアリングパイプライン(生データをモデルで使える列に整える事前処理)の構築、モデルの自前ホスティングが不要になると強調しています。現時点ではプレビュー段階です。
よくある質問
TimesFM 3.0とは何ですか?
Google Cloudによると、Google Researchが開発した3.3億パラメータの基盤モデルで、BigQueryのSQLクエリ内で多変量時系列予測を直接行います。複数のターゲットと外部要因を同時に考慮して将来の数値を推定します。
TimesFM 2.5との最大の違いは何ですか?
Google Cloudによると、2.5までは単変量予測のみで、単一系列の履歴しか見られませんでした。3.0は複数ターゲットの同時予測に対応し、過去の値のみ、または過去と将来の両方の値を持つ共変量にも対応します。
既存のクエリは大きく書き換える必要がありますか?
Google Cloudの説明では、既存の単変量予測と異常検知のワークフローは、model => 'TimesFM 3.0'を指定するだけで新モデルを使えます。
もう正式提供されていますか?
いいえ。Google Cloudが発表したのはプレビュー版です。正式な仕様や提供範囲は公式ドキュメントをご確認ください。
リーダーボード1位という主張は信頼できますか?
この主張はGoogle Cloud自身の記事によるものなので、ベンダー側の主張として受け取ってください。
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