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Google Cloud、Spanner Omniを正式提供開始:Spannerデータベースを自社データセンターや他社クラウドでも運用可能に

Google Cloudは、分散データベースSpannerを自社データセンターや他社クラウド、ノートPCでも動かせる「Spanner Omni」の一般提供(GA、正式版としての提供)を発表した。規制や既存設備の事情でGoogle Cloudを使いにくい企業にも選択肢が広がる一方、運用は利用企業が担う。Google Cloudが公表した機能、ライセンス、フルマネージド版との違いをまとめる。

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Google Cloud、Spanner Omniを正式提供開始:Spannerデータベースを自社データセンターや他社クラウドでも運用可能に
画像:Mokaair (Original editorial artwork)

何が起きたのか

Google Cloudは公式ブログで、Spannerの「どこにでもデプロイできる」版であるSpanner Omniの一般提供(GA)を開始し、自社データセンターや他のクラウド上で本番ワークロードを実行できるようになったと発表した。GAとは、試験的な提供ではなく正式版として本格利用できる段階を指す。Google Cloudによると、Spanner OmniはGoogle Cloud Next ’26で初披露され、今回プレビュー(試験提供)段階を終えた。

Google Cloudによれば、Googleは10年以上前にSpannerで分散SQL市場を切り開き、NoSQL(表形式にとらわれないデータベース)の水平スケーラビリティ(サーバーを増やして処理能力を伸ばせる性質)と、従来型リレーショナルデータベースのACID準拠および強整合性(データの更新が確実かつ矛盾なく反映される性質)を組み合わせた。またGoogle Cloudは、Spannerがマルチモデルデータベースへと発展し、SQL、グラフ、キー・バリュー、全文検索、ベクトル検索、さらにカラム型エンジンを用いた分析処理を単一のデータベースに統合しているとしている。

Google Cloud、Spanner Omniを正式提供開始:Spannerデータベースを自社データセンターや他社クラウドでも運用可能に
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Google Cloudによると、Spanner OmniはフルマネージドのSpanner(Google Cloudが運用まで引き受ける版)と同じコア機能を備え、プライベートデータセンターの仮想マシンやKubernetes(コンテナ化したアプリを管理する仕組み)、複数のクラウドにまたがる環境に展開できるほか、ノートPC上でローカルテストも可能だという。

Google Cloudが公表した主な機能

  • AI関連機能:Google Cloudによると、ベクトル検索(KNNとANNを含む)とSpanner Graphに対応し、MCP Toolboxを通じてModel Context Protocol(MCP、AIエージェントが外部のツールやデータとつながるためのオープン標準)をサポート。AIエージェントがデータ構造を確認し、関連する情報を取得できる。
  • セキュリティとガバナンス:Google Cloudによると、GA版はTLS暗号化、認証と認可、監査ログを提供する。
  • データ保護:Google Cloudによると、バックアップと復元機能を提供する。
  • Workerノード:Google Cloudによると、Spanner Omni専用のステートレスなコンピューティングノードで、バックグラウンド処理やリソース消費の大きい処理を分担する。
  • サポート:Google Cloudによると、顧客はGoogle Cloud Customer Careを直接利用できる。

Google Cloudは顧客事例にも言及している。ロンドンに本社を置くAIネイティブCRM企業Attioは、エージェント型アプリケーション環境をコンテナ化したSpanner OmniとマネージドSpannerの組み合わせに移行した。ブログはAttioの共同創業者兼CTOであるAlexander Christie氏の言葉として「Spanner Omni has been a major win for us by delivering Spanner capabilities and performance across all our environments」を引用している。

ライセンス形態とフルマネージド版との違い

Google Cloudによると、Spanner Omniには2種類のライセンスがある。無料のDeveloper Editionは非商用・非本番環境向けで、デフォルトのライセンス期間は90日間。商用版の全機能を含むが、バックアップ機能とWorkerノードは含まれない。4 vCPU(仮想CPU)以下の単一サーバー構成では、デフォルトのライセンスは期限切れにならず、バックアップと復元にも対応する。4 vCPUを超える場合はフォーム申請で延長できる。有料のCommercial EditionはvCPU単位の年間サブスクリプション制でエンタープライズサポートが付き、割引価格の概念実証(PoC)ライセンスも用意されている。

Spanner OmniとフルマネージドSpannerの違い(出典:Google Cloud公式ブログ)
比較項目Spanner Omni(Google Cloudの説明による)フルマネージドSpanner(Google Cloudの説明による)
デプロイ先自社データセンター、他のクラウド、マルチクラウド、ノートPCGoogle Cloud
日常の運用保守、バージョンアップ、監視は顧客が自ら担当Google Cloudが管理
可用性SLAGoogleは提供しないブログでは詳述されていない
Google Cloudサービスとの統合BigQuery、Knowledge Catalog、Gemini Enterpriseなどとのネイティブ統合は含まないGoogle Cloudに依存するこれらの機能を含む
機能差現時点では差があり、今後のバージョンで縮小する計画比較の基準

一般読者と企業への実際の影響

一般ユーザーにとって、この種のデータベースは多くの場合裏側で動いており、日常的に使うアプリが直接変わるわけではない。ただし、クラウド事業者がこれまで自社クラウドでのみ提供していた中核サービスを、企業が自社データセンターや他のクラウドで実行できるようにし始めているという傾向を示している。これにより、規制、データの保管場所、既存設備などの制約を受ける組織も導入しやすくなる。

一方で、Google Cloudの説明によれば、自社環境で動かす場合は運用責任が顧客側に移り、Googleによる可用性SLAもない。企業は検討にあたり、社内チームの運用能力や、BigQueryなどフルマネージド版でしか使えない統合機能が必要かどうかを見極める必要がある。

よくある質問

Spanner Omniとは何ですか?

Google Cloudによると、Spanner OmniはSpanner分散データベースの「どこにでもデプロイできる」版で、自社データセンター、他のクラウド、マルチクラウド環境、ノートPC上で実行でき、フルマネージドのSpannerと同じコア機能を提供します。

今回の「一般提供」は何を意味しますか?

Google Cloudによると、Spanner Omniはプレビュー(試験提供)を終えて一般提供(GA)となり、本番ワークロードに利用できるようになりました。セキュリティ、バックアップと復元、Workerノード、カスタマーサポートなどのエンタープライズ機能も追加されています。

無料で使えますか?

Google Cloudによると、無料のDeveloper Editionがありますが、非商用・非本番環境での利用に限られます。デフォルトのライセンス期間は90日間で、4 vCPU以下の単一サーバー構成では期限切れになりません。商用の本番用途には有料のCommercial Editionが必要です。

Google Cloud上でSpannerを使う場合と何が違いますか?

Google Cloudの説明では、Spanner Omniは顧客自身が運用する必要があり、Googleは可用性SLA(稼働率の保証)を提供せず、BigQuery、Knowledge Catalog、Gemini Enterpriseなどとのネイティブ統合も含みません。現時点では両者に機能差があり、Google Cloudは今後のバージョンで縮小するとしています。

これらの情報は独立して検証されていますか?

いいえ。本記事の内容はすべてGoogle Cloud公式ブログによるもので、ベンダー自身が公表した情報です。

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