ライフスタイル
Binance流出事件:FBIとシークレットサービスが捜査に参加、CircleとTetherがステーブルコインを凍結、出金は停止中
Decryptによると、暗号資産取引所Binanceがハッカーに約64億ドルを盗まれ、米FBIおよびシークレットサービスと連携して捜査中。CircleとTetherは関連ステーブルコイン(米ドルに価値が連動する暗号資産)を凍結。Binanceは自社資金とSAFU(セキュリティ事案に備えた緊急準備金)で利用者の全損失を補填するとし、出金は停止中で日曜までの再開を目指す。
読了目安 7 分

以下の内容はすべて暗号資産ニュースサイトDecryptの報道に基づき、一部はロイターを引用しています。同じ記事の中で金額が一致しない箇所があり、本文中で併記します。
事件の経緯:捜査は米法執行機関へ拡大
Decryptは(ロイターを引用して)、ハッカーが取引所から64億ドルを盗んだ後、BinanceがFBIおよび米シークレットサービスと協力していると報じた。Decryptによると、事情に詳しい関係者はロイターに対し、Binanceはこの2機関を含む世界各国の複数の法執行機関と連携していると述べた。
Decryptによれば、FBIは事案を認識していることを認め、官民のパートナーと被害範囲を評価し、捜査の手順を調整しているという。シークレットサービスは回答しなかった。Decryptは、シークレットサービスが大統領警護で知られる一方、金融犯罪、コンピューター犯罪、コンピューターシステムへの不正アクセス、デジタル通貨に絡む犯罪の捜査も担当していると説明している。
ステーブルコインの凍結:盗まれた資金を止められる理由
Decryptの説明では、USDCはCircleが発行する「ステーブルコイン」(価値が米ドルに連動する暗号資産)で、1ドルの価値を保つよう設計されている。USDTはTetherが発行する競合のステーブルコインである。
Decryptによると、Circleは攻撃に関連する約8億2,300万ドルのUSDCを凍結し、CEOのJeremy Allaire氏は法執行機関と調整していると述べた。Tetherについては、Decryptの要約では9億7,510万ドルのUSDT凍結、本文では15億ドル、記事が引用したTetherのCEO Paolo Ardoino氏の投稿では15億6,700万USDT超とされ、同じ記事内で数字が一致していない。
Decryptによれば、CircleとTetherはいずれも特定のブロックチェーンアドレスをブラックリストに登録でき、発行したトークンをそのウォレットから送金できなくなる。これにより、捜査当局が容疑者を特定する前に、盗まれた資金の移動を止められる。
| 対象 | Decryptが報じた内容 |
|---|---|
| Binance | FBI・シークレットサービスと協力。自社資金とSAFUで全損失を補填すると表明。出金は停止中 |
| Circle | 約8億2,300万ドルのUSDCを凍結。CEOは法執行機関と調整中と発言 |
| Tether | 凍結額はDecryptの報道内で9億7,510万ドル、15億ドル、15億6,700万USDTと説明が分かれる |
| FBI | 事案を認識していると確認。被害範囲を評価し、捜査手順を調整中 |
| シークレットサービス | 報道によると回答なし |
| TRM Labs、Chainalysis | 攻撃を北朝鮮関連のハッカー集団TraderTraitorによるものと分析 |
攻撃元の特定とセキュリティ調査:現時点で分かっていること・不明なこと
Decryptによると、ブロックチェーン分析企業のTRM LabsとChainalysisは、この攻撃を2025年2月の15億ドル規模のBybit事件に関連付けられた北朝鮮のハッカー集団TraderTraitorによるものとした。当時FBIもBybit事件を北朝鮮のハッカーによるものと断定した。なお、Decryptの本文は今回の被害額を63億ドルとしており、要約の64億ドルとわずかに異なる。
Decryptによれば、Binanceは当初、DevOps(システム開発・運用)エンジニアの侵害されたノートPCが攻撃者のシステムアクセスにつながったと疑い、その後ほかの侵入経路も見つけた。ウォレットの秘密鍵(ウォレットの資産を動かすための暗号鍵)が漏えいした証拠はないとしている。
一般利用者への実際の影響
- 補填:Decryptによると、Binanceは自社資金とSAFU(利用者保護基金。セキュリティ事案に備えた緊急準備金)で全損失を補填すると表明した。
- 準備金と回収:Decryptによると、CEOのRichard Teng氏は63億4,000万ドル超を確保済みで、約30億ドルが業界パートナーの協力で発見または凍結されたと述べた。
- 出金:Decryptによると、出金は引き続き停止中で、Binanceはセキュリティ基盤を見直しており、日曜までの再開を目指している。
Decryptはまた、今年4月の「Operation Atlantic」に言及している。シークレットサービス、英国国家犯罪対策庁、Binance、Coinbaseなどが連携し、承認フィッシング(approval phishing)詐欺の被害者2万人超を特定、盗まれた4,500万ドルを追跡して1,200万ドルを凍結した。さらに、Binanceの最高セキュリティ責任者であるJimmy Su氏が2025年のインタビューで、北朝鮮の工作員が毎日LinkedInを通じて従業員に接触し、偽の面接で端末にマルウェアを仕込むこともあると語ったと振り返っている。
よくある質問
この事件の情報源は何ですか?
情報源は2026年10月30日付のDecryptの報道で、一部はロイターを引用しています。今後の展開はBinanceなど関係機関の公式発表をご確認ください。
盗まれた金額は結局いくらですか?
Decryptの要約と冒頭では64億ドル、本文の別の箇所では63億ドルとされています。同じ記事に両方の数字があり、どちらが正確かは説明されていません。
利用者の損失は補填されますか?
Decryptによると、Binanceは自社資金とSAFUで全損失を補填すると表明し、63億4,000万ドル超を確保済みとしています。これはBinanceの主張であり、詳細は今後の説明待ちです。
出金はいつ再開されますか?
Decryptによると、出金は停止中で、Binanceは日曜までの再開を目指しています。ただし目標であり、保証ではありません。
誰が黒幕とみられていますか?
Decryptによると、ブロックチェーン分析企業のTRM LabsとChainalysisは、北朝鮮関連の集団TraderTraitorによる攻撃と分析しています。これは両社の見解です。
同じテーマの記事
ライフスタイル
Decrypt報道:Binanceから約64億ドルが流出、TetherとCircleは23億ドル超の盗難ステーブルコインを凍結
Decryptの報道によると、攻撃者は暗号資産取引所Binanceから約64億ドルを引き出した。Decryptは暗号資産史上最大のハッキングと伝えている。Binanceは自社資金と緊急準備金で全損失を補填する方針で、TetherとCircleは23億ドル超の盗難ステーブルコインを凍結した。
ライフスタイル
バイナンスに約64億ドルのハッキング被害、CFTC委員長「海外取引所には米国の監督が必要」
Decryptによると、バイナンスから約64億ドルが盗まれ、CFTCのセリグ委員長は海外の暗号資産取引所にCFTC登録と米国水準のセキュリティ基準が必要だと主張した。バイナンスは63.4億ドルを損失補填に確保したとし、調査で追加の侵入経路が見つかったとしている。
ライフスタイル
Binance、約63億ドルの被害:資金凍結、補填の準備、調査の進捗
Decryptによると、暗号資産取引所Binanceが史上最大のハッキング被害を受けた。凍結された資金、Binanceによる利用者への補填準備、米当局の調査、そして事件が示したプラットフォーム保管のリスクを整理する。価格や投資助言には触れない。
ライフスタイル
テキサス州の兄弟、暗号資産絡みの誘拐・強盗事件でそれぞれ約15年の刑
Decryptによると、テキサス州出身の兄弟が銃を持ってミネソタ州の住宅に押し入り、父親に800万ドル超の暗号資産を送金させたとして、15年と15年半の刑を言い渡された。Decryptは、米国の裁判所がこの種の「レンチ攻撃」を重大な暴力犯罪として扱っている表れだと見ている。