ライフスタイル
Google Earth Engine、Gemini搭載の「Ask」機能を提供開始 地理空間コードの作成とデバッグを支援
GoogleはGoogle Earth Engineのコードエディタに、AIのGeminiに質問できる「Ask」機能を追加すると発表した。ユーザーは自身のGemini APIキーを使い、エディタ内で地理空間スクリプトの生成、解説、デバッグ、最適化を行える。本記事では、Googleが公表した機能、利用可能なモデル、利用前の注意点をまとめる。
読了目安 8 分

Googleが発表した内容
GoogleはGoogle Cloud Blogへの投稿で、Google Earth Engine向けの新機能「Ask」の提供を発表した。Earth Engineは、スクリプト(短いプログラム)を書いて森林被覆や農業収量などの地理空間データ、つまり地球上の位置と結びついたデータを分析できるGoogleのプラットフォームである。記事ページの日付は2026年9月29日で、執筆者はプロダクトリードのJoel Conkling氏とソフトウェアエンジニアのKatie Friis氏。Googleによると、Earth Engineは同社の地理空間モデルとデータセットのコレクション「Google Earth AI」の一部である。
Googleの説明によれば、AskはGeminiの機能をEarth Engineのコードエディタ(Code Editor)に直接統合したものだ。パネルはエディタの右側に配置され、チャット形式で現在のスクリプトに関する支援を行う。ユーザーは自身のGemini APIキーを使えば、エディタを離れることなく地理空間クエリの作成、デバッグ、理解、最適化ができる。APIキーとは、Geminiを外部から利用するための個人用の認証キーのことで、デバッグとはプログラムの誤りを見つけて直す作業を指す。
詳しい説明を読む
情報源を収集し、独立検証を行ってから Jev が判断します。
機能のポイント:作成中のスクリプトを「理解」する
Googleによると、Askの応答はワークスペース内の情報を参照する。そのため、ユーザーがコードを別途貼り付けたり、データセットを説明したりする必要はない。Googleの説明では、参照される内容は次のとおり。
- 現在のスクリプトの全文
- インポート済みのアセットとジオメトリ(読み込んだデータや、地図上に描いた範囲などの図形)
- 現在のセッションのチャット履歴
Googleは調整可能な設定もいくつか挙げている。1つ目はGeminiモデルの選択で、提供開始時点ではGemini 3 Flash Preview、Gemini 3.1 Pro Preview、Gemini 3.5 Flashから選べる。2つ目は、AIに公式ドキュメントやEarth Engineデータカタログを検索させる設定である。3つ目はGrounding with Google Searchで、公開ウェブの検索結果を回答の根拠にする。ただし、この3つ目の選択肢はドキュメント検索やデータセット検索と同時には使えない。
4つの利用シーンの比較
| 利用シーン | Googleが説明する方法 | ユーザーにとっての意味 |
|---|---|---|
| 自然言語からコードを生成 | 要望を記述するとJavaScriptコードを生成し、Insertで挿入、Copyでコピーできる | 正確な構文を覚えていなくても始められる |
| 複雑なコードの解説 | スクリプトの用途を尋ねると、段階的な説明が得られる | 同僚やコミュニティのサンプルスクリプトを理解しやすくなる |
| ワンクリックのトラブルシューティング | Consoleのエラーメッセージに「Troubleshoot」ボタンが付き、プロンプトが自動入力される | エラーメッセージを手動でコピーする手間が減る |
| クエリの最適化 | 早い段階でのフィルタリング、演算ステップの削減、サーバー側処理への切り替えなどを提案 | タイムアウトやリソース効率の問題への対処に役立つ可能性がある |
Googleの記事で挙げられたプロンプト(AIへの指示文)の例は「Write a script to load Sentinel-2 imagery for 2025 over Boulder, CO, apply a cloud mask, calculate NDVI, and add the median composite to the map.」である。訳すと「コロラド州ボルダー上空の2025年のSentinel-2画像を読み込み、雲を除去するマスクをかけ、NDVIを計算し、中央値合成画像を地図に追加するスクリプトを書いて」という意味になる。NDVI(Normalized Difference Vegetation Index、正規化植生指数)は植生を測る指標だ。Googleによると、エディタにすでに内容がある場合、コード挿入時には差分(変更前と変更後の違い)を左右に並べて表示するビューが示される。ユーザーは変更を確認してから受け入れられる。
一般読者と研究者への実際の影響
Earth Engineは森林被覆、市街地の変化、農業収量などの地理空間分析によく使われている。こうしたユーザーにとってのAskの意義は、「ドキュメントを調べる、関数を覚える、エラーメッセージを読む」といった作業をエディタ内に移し、AIの支援で済ませられる点にある。これにより、使い始めるハードルが下がる可能性がある。ただし、これらの効果は現時点ではGoogle自身の説明であり、実際の精度や適用範囲はユーザー自身が評価する必要がある。
注目すべきは、Askがユーザー自身のGemini APIキーを使う点だ。Googleによると無料の選択肢もあるが、有料ティアのキーを選んだ場合は使用量に応じて課金される。そのため組織や個人は、有効化する前にGemini APIの規約や、自身の費用・データに関するポリシーを確認しておくことが望ましい。
利用を始めるには
Googleの説明によると、Askは発表時点で全世界で提供されており、有効化は2ステップで行う。
- Gemini APIキーを取得する:まだ持っていない場合は、Google AI Studioで作成できる。
- キーをEarth Engineに追加する:Code Editorを開き、右側のAskパネルをクリックする。続いて左下の鍵アイコンをクリックし、APIキーを入力する。
GoogleはCode EditorのFeedbackボタンから使用感を寄せるよう、ユーザーに呼びかけている。
よくある質問
Askとは何ですか?
Googleによると、AskはGoogle Earth Engineのコードエディタに追加された新機能です。Geminiを統合し、チャット形式で地理空間スクリプトの作成、解説、デバッグ、最適化を支援します。
Askの利用は有料ですか?
Googleによると、ユーザー自身がGemini APIキーを用意する必要があり、キーはGoogle AI Studioで作成できます。無料の選択肢もあり、有料ティアのキーを選んだ場合は使用量に応じて課金されるとのことです。
Askではどのモデルを使えますか?
Googleによると、提供開始時点ではGemini 3 Flash Preview、Gemini 3.1 Pro Preview、Gemini 3.5 Flashから選択できます。
Askは私のどの内容を読み取りますか?
Googleによると、応答は次の3つを参照します。現在のスクリプト全文、インポート済みのアセットとジオメトリ、現在のセッションのチャット履歴です。
どの地域で利用できますか?
Googleによると、Askは発表時点で全世界で提供されています。
AIが生成したコードはそのまま信頼できますか?
そのまま信頼すべきではありません。Googleは、変更を受け入れる前に確認できるよう、差分を並べて表示するビューを設けています。現時点では精度を独立して検証した情報源もないため、結果は自分で確認することを勧めます。
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